自然資本・生物多様性

考え方・方針

気候変動や水問題の解決、循環型社会の実現、生物多様性の保全に向けて、サステナビリティマネジメントの徹底が不可欠です。化学セクターでは、製造過程やサプライチェーン全体において、自然への依存および影響が一定程度認められています。
持続可能な事業運営のために、当社では、自然資本である、気候変動、水、土壌、大気、生物多様性に関する自社のリスク・機会の特定を行っています。また、リスクインパクト緩和のために、各事業所では環境保全活動に継続的に取り組んでいます。さらに、自然資本保全に貢献する製品・サービス、活動を通して、環境インパクトの削減を目指します。

ガバナンス

三菱ケミカルグループは、当社が取り組むべき重要課題(マテリアリティ)として、「GHG削減」「環境インパクトの削減」「持続可能な食糧・水供給」「生物多様性の保全」などを特定し、その進捗を測る指標を設定しています。

イニシアチブへの参画

三菱ケミカルグループは、2010年に「日本経団連生物多様性宣言*1」に参画し、事業活動に伴う生物多様性への影響低減に取り組んでいます。
また、三菱ケミカル、日本酸素ホールディングスはTNFDフォーラム*2に参画しています。国際的な議論をフォローするとともに、将来の対応に向けた議論を社内および社外のステークホルダーと進めています。

  • *1日本経団連生物多様性宣言:(社)日本経済団体連合会が2009年3月に発表
  • *2The Taskforce on Nature-related Financial Disclosures:自然関連財務情報開示タスクフォースのステークホルダー組織。自然資本等に関する企業のリスク管理と開示枠組みを構築することを目的

戦略・リスク管理

自然への依存および影響

自然資本と自社事業のバリューチェーンとの接点を特定するため、TNFD発行のガイダンス内1-2)で参照されているENCORE (Exploring Natural Capital Opportunities, Risks and Exposure)を用いました。

1) 自然関連財務情報開示タスクフォースの提言 (2023)
2) Additional Sector Guidance -Chemical (2024)

対象として、三菱ケミカルの主なサプライチェーンを想定し、直接操業の基礎化学品製造業、プラスチックおよび合成ゴム素材製造業に加え、上流および下流を含む事業分類を選定しました。
結果は、生態系サービスへの依存としては、サプライチェーン上流の精製石油製品製造業において、水の浄化機能への依存度が高く示されました。一方、自然への影響としては、直接操業、上流、下流とも、攪乱(光、音)、および、土壌および水中への汚染物質排出の影響度が高く示されました。
上記の結果を踏まえ、まずは直接操業に関するリスクの特定を優先的に検討していきます。全体的な傾向として、水に関する接点(中~とても高い)が多く該当することが確認されました。水マネジメントは操業の安定に不可欠であるため、重点的に評価を行い、今後も継続的にマネジメントに取り組んでいきます。
また、生態系サービスへの依存に比べて、自然へ影響を及ぼす要因について、重要度が高く示されました。現在製造拠点で実施している水質・大気・騒音・臭気に関する環境マネジメントが適切な対応策として機能するよう、今後も継続して強化していきます。

事業ごとの自然への依存/影響度(5段階評価)

VH:とても高い、H:高い、M:中、L:低い、VL:とても低い

リスクを識別、評価、管理するプロセス

製造拠点の水リスク分析

製造拠点における水マネジメントは安定操業において重要な役割を果たすため、重点的な評価を行っています。ENCOREの評価結果において水に関するリスクが多く抽出されたことも踏まえ、製造拠点ごとにAqueduct Water Risk Atlas*3を用いて水リスク分析を評価しました。
分析対象として、グローバル全体の三菱ケミカルの直接操業拠点において、水消費量の多い拠点を含む、水消費量におけるカバー率90%相当の範囲を対象とし、評価を行いました。
水資源の持続可能な利用を評価する、ベースライン水ストレスの指標(総水需要と利用可能な再生可能水資源(表面水・地下水)の比率)において、リスクの高い拠点はありませんでした(スコア0~5の評価に対して、3以上に該当拠点なし)。
引き続き、水マネジメントの一環として、水に関する自社のリスクと機会を継続的に評価していきます。

*3世界資源研究所(WRI)が開発・提供している世界的な水リスク評価ツール

指標と目標

現在の取り組みと今後の展望

企業活動による環境への負荷を軽減することを目的に、水質・大気の汚染防止、廃棄物削減、省エネルギー、騒音管理など環境マネジメントの取り組みを推進しています。さらに、環境との共生に向けたサステナビリティ目標として、2030年の定量的な目標を掲げており、目標達成に向けて着実に実行していきます。

廃棄物の削減

資源の有効活用のため、最終処分される廃棄物量の削減について、-50%(2023年度対比)を目指します。

水質汚濁物質排出リスクの削減

水資源マネジメントとの一環として、COD*4排出量の削減について、-310t(2023年度対比)を目指します。

*4化学的酸素要求量(有機物などによる水質汚濁の程度を示すもので、酸化剤を加えて水中の有機物と反応(酸化)させたときに消費する酸化剤の量に対応する酸素量を濃度で表した値

事業所での取り組み

持続可能な事業運営の実現に向けて、引き続き、自然資本に関する自社のリスクと機会を継続的に評価していきます。事業における優先地域の特定、さらには、サプライチェーン全体を対象とした影響度の高いリスクと機会の把握・管理へと展開していきます。

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