カーボンニュートラル達成に向けた取り組み
考え方・方針
三菱ケミカルグループは、地球温暖化、気候変動を化学産業として最優先で取り組むべき課題と位置付け、GHG排出削減にグループを挙げて取り組んでいます。「自社の直接および間接排出を示すScope1およびScope2のGHG排出量を、2030年度に29%削減(2019年比)、2050年に実質ゼロとするカーボンニュートラル達成をめざす」という目標を2022年に設定しました。この目標達成に向け、事業活動に伴うGHG排出量の削減はもちろんのこと、使用時にGHG排出量が少ない製品の開発にも取り組んでいます。
2050年カーボンニュートラルに向けたロードマップ
2024年度のGHG排出量は2019年度に比べ約21%減少しました。事業構造改革の推進や設備稼働率の低下による影響に加えて、燃料転換、プロセス合理化などのカーボンニュートラルに向けた取り組みにより、排出量は着実に減少してきています。
今後も、ロードマップに沿って燃料転換やプロセス合理化などを進め、目標達成を目指して削減策を実行していきます。
GHG排出量の実績と目標

2030年度までの削減計画
2030年度までに目標達成のために最も大きな寄与をすると考えているのが、購入電力の排出係数の削減です。これは、電力会社の排出係数が年々低下していることとともに、再生可能エネルギーの電力を導入していることに基づいています。2030年度に向け、この再生可能エネルギーの電力量を確保していく予定です。また、燃料転換、特に石炭火力の燃料転換もすでに設計を進めており、一部はすでに対応も進めています。さらには、製造プロセス合理化を行っています。
各事業会社では、 GHG排出削減に資する設備投資を推し進めることを目的として、設備投資の判断指標の一つとしてICP(社内炭素価格精度)を導入しています。
このように、制度も導入・活用しながら、2030年目標達成に向け、確実に活動を進めていきます。

2050年度に向けたGHG排出削減のプロセス
2030年度以降も、2030年までの対応を継続しつつ、水素・アンモニアやe-メタンなどを適切なタイミングで活用することによる燃料転換や、原料転換によるプロセス由来の排出削減、CCS*1などに取り組んでいきます。

- *1CCS:Carbon dioxide Capture and Storage(二酸化炭素回収・貯蓄)
- *2Carbon Border Adjustment Mechanism(炭素国境調整メカニズム):EU域外から域内への国境をまたぐ特定の輸入品に対してEU域内と域外の炭素価格の差額を支払うことを義務付けた制度
体制
全社サステナビリティ推進体制の一つであるサステナビリティ委員会のもと、GHG排出削減を効率的に進め、カーボンニュートラル達成を目指しています。
主な取り組み
製造に伴うGHG排出の削減
三菱ケミカルグループでは、製造に伴うGHG排出量の削減を進めています。その例として、三菱ケミカルの事業拠点では、クリーンな燃料への転換を行っています。
製造拠点における燃料転換施策

物流に伴うGHG排出の削減
三菱ケミカルグループは、輸送のロットサイズアップや鉄道輸送へのモーダルシフトなど製品の形状、包装の最適化を含め、物流の効率向上を推進し、環境に優しい物流の実現をめざしています。さらに、専用船におけるフレンドフィンの装着や二重反転プロペラ船への更新など、物流会社と協同で設備面からのGHG排出量削減にも取り組んでいます。
営業に伴うGHG排出の削減
三菱ケミカルグループでは、営業車に積極的にハイブリット車を導入するなど、営業に伴うGHG排出量の削減に努めています。
使用時のGHG排出が少ない製品の提供
研究・開発段階からの取り組みを通じて使用時にGHG排出量が少ない製品を上市するとともに、それによる社会のGHG削減効果の検証を進めています。
サプライチェーンにおけるGHG排出の把握
三菱ケミカルグループは、購入原材料が工場に届けられるまでのGHG排出量や、製品がお客さまのもとで使用され、最後に廃棄されるまでのGHG排出量を把握し、開示しています。2012年度から国内におけるScope3排出を把握し、第三者による保証を受けています。
三菱ケミカルにおけるScope3 カテゴリ1削減推進
Scope3はサプライチェーンの「上流」と「下流」、GHGプロトコルにて規定された15のカテゴリーに分類されています。
三菱ケミカルの Scope3に係るGHG排出量は40,962千tCO2e、内カテゴリ1・11・12がScope3全体の約90%を占めます(2024年度実績)。
今後、Scope3目標設定の義務化の動きもあることから、もっとも排出量が多いカテゴリ1は、サプライヤーエンゲージメントにより削減したいと考えています。
サプライチェーンにおけるGHG排出量

Scope3に係るGHG排出量のうち、GHGプロトコルで規定された15カテゴリーの内訳(2024年度)

Scope3カテゴリー1削減とサステナブル調達のアクションプランは以下フローの通りです。
排出原単位を現状の二次データからサプライヤー算定データへ変更した上で、サプライヤーの取り組みを共有・支援し、サプライチェーン全体のGHG削減を目指していきます。
Step1 サプライヤーエンゲージメント(サプライヤーへのScope3削減説明、意見交換の開催)
Step2 サプライヤー算定データの取得(サプライヤーとの対話・情報の把握) ⇒ 削減目標検討
Step3 CSRD*3/CSDDD*4欧州域外適用に対応
- *3CSRD:Corporate Sustainability Reporting Directive(EUの企業サステナビリティ報告指令)
- *4CSDDD:Corporate Sustainability Due Diligence Directive(EUのコーポレート・サステナビリティ・デューデリジェンス指令)
カーボンフットプリント評価の実施
三菱ケミカルグループは、個別の製品について、その原料調達からお客さまにお届けするまでのGHG排出量を算定し、開示する仕組みである「カーボンフットプリント評価」を実施しています。