CTOメッセージ/イノベーション方針

R&Dを中核としたイノベーションを強力に推進し、ケミカルズ事業の収益成長に貢献します
三菱ケミカル株式会社
常務執行役員
チーフテクノロジーオフィサー(CTO)
宇都宮 賢

2026年8月掲載
*本記事の内容、所属、役職等は取材当時のものです。

2026年8月掲載
*本記事の内容、所属、役職等は取材当時のものです。

2026年4月よりチーフテクノロジーオフィサー(CTO)に就任しました、宇都宮です。
私たちのPurposeは、「革新的なソリューションで、人、社会、地球の心地よさが続いていくKAITEKIの実現をリードすること」です。
2024年に「KAITEKI Vision 35」および「中期経営計画2029」を発表し、5つの注力事業領域を定め、中長期的な視点で進むべき方向性を明確にしました。さらに、2025年12月には、収益強化が課題であるケミカルズ事業について、成長性と収益性の2軸で「次世代」「成長ドライバー」「収益基盤」「構造改革」の4象限に事業ポートフォリオを整理しました。
これを踏まえてケミカルズ事業のコア営業利益を持続的に成長させる方針を明確にしています。また、価格政策・投資判断・資産最適化という「規律ある事業運営の3原則」を基本方針とし、全社一丸となって企業価値向上に取り組んでいます。
イノベーション部門としても、ケミカルズ事業の収益成長に貢献するとともに、「中期経営計画2029」および「KAITEKI Vision 35」の実現に向け、R&Dを中核としたイノベーションを強力に推進していきます。以下に、その基本的な考え方をご説明します。

現状認識

GHG排出量削減への要請、化学品規制の高度化、EV技術の進展、革新的なAIの登場と半導体産業の急成長、さらには信頼できるサプライチェーンの重要性の高まりなど、社会は急速に複雑化しています。それに伴い、お客さまのニーズも多様化しています。私たちは、このような複雑な社会課題やお客さまのニーズに対し、革新的なソリューションで応えていく必要があります。

基本思想

イノベーション部門には、普遍的とも言える3つの責任があると考えています。
① 技術・製品の徹底した改良
② 革新的技術・製品の開発による次世代事業の創出
③ それらを効率的に実現するためのR&D生産性向上

これらを踏まえ、以下を部門方針としています。
・全社最適:事業部門と高度に連携し、且つイノベーション部門が一体となって事業課題を解決する
・収益・成長への貢献、事業ポートフォリオ改革:ケミカルズ事業ポートフォリオ4象限それぞれの技術課題を解決し、特に「次世代事業」「成長ドライバー」の技術開発を加速する
・R&D生産性向上:人材育成、AI活用、基盤技術の実戦活用により、R&Dの速度と確度を高める

イノベーションの進め方

これらの方針を実現するため、2026年4月に組織改編を行いました。次世代事業開発本部、Science & Innovation Center(SIC、中央研究所)、各事業部門のR&D責任者をCTOの下に一本化し、事業部門との連携を維持するマトリックス型組織としています。さらに、CTOとR&D責任者・知財責任者がイノベーション・コミッティとして高頻度で定期的に課題と情報の共有、議論を行い、全社の技術課題に対する迅速な解決と基盤技術の横断的な活用を進めています。
構造改革:イノベーション組織はCTOの元、全社で一体運営してアウトプットを最大化

収益成長への貢献

既存事業は引き続き収益の中核です。技術サービス機能を強化し、事業部門内の技術開発体制を通じて迅速な顧客対応を行います。同時に、他事業部門や次世代事業開発で培った基盤技術を組み合わせ、複雑・高度化するニーズやグローバル展開に対応します。

注力分野

・次世代分野:熱マネジメント素材、GaN、半導体EUVレジスト、光電融合、廃プラ油化ケミカルリサイクル
・成長ドライバー分野:炭素繊維・コンポジット、高機能フィルムズ、半導体、高機能エンジニアリングプラスチック
これらにリソースを集中させるとともに、CVC(Diamond Edge Ventures)、情報基盤、基盤技術(SIC)を活用した新規R&Dを推進します。
ニーズ・課題の把握から課題解決までのプロセスイメージ
ケミカルズ事業ポートフォリオ

R&D生産性向上

R&Dの生産性を上げるには人材育成、AI活用は欠かせません。また、ニーズ・用途の多様化において、実験が困難である過酷な条件下でのアイデア検証や開発スピードの向上を図るには高度なシミュレーションの活用も必須です。研究開発実務に加えて、若手研究者の現場・営業経験、海外業務経験も重視して実践的な学びを強化するとともに、高度にAI、データ、シミュレーションの活用を推進することで、次世代の研究者が育ち、より高いR&D生産性を実現できると考えています。また技術伝承にもつながる専門的な研修制度も充実させます。
R&D生産性向上のためのキャリアパス
お客さまと社会の期待に応え、収益成長と次世代の事業創出を両立させ、多様な基盤技術をつなぐ好循環を生み出すこと。それが総合化学の強みを活かしたイノベーションの責任です。
私たちはこれからも、KAITEKIの実現をリードし続ける企業であり続けます。

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