化学品管理

三菱ケミカル株式会社

基本方針

2023年に採択されたGFC (Global Framework on Chemicals) は2030年へ向けた国際的な化学物質管理の新しい枠組みであり、「環境と人の健康を保護するために、化学物質と廃棄物による害を防止、またはそれが実行可能ではない場合は最小化すること」を目的としています。
このGFCに沿って、三菱ケミカルは、ライフサイクル全体を通して事業活動にかかわるすべての人々の健康と安全を確保し、環境負荷の最小化に努めます。

1.取り扱う製品の全ライフサイクル通じ、健康、安全、環境等への影響を解析し、リスクの最小化に努める活動を実施します。
2.取り扱う製品の化学品管理に関する法律、規則、協定等を遵守し、製品を安全に使用するための情報を提供します。
3.使用する原材料の安全性情報も確実に確認し、サスティナブルな製品開発を支援します。

管理体制と規則

三菱ケミカルは、事業活動に関わるすべての部門でプロダクトスチュワードシップに則った化学品管理を徹底するために、社内ルールおよびチェックシステム等の管理体制を整備しています。
化学物質の優れた特性を有効に活用できるように、当社製品に関わるすべての化学物質の危険性、有害性、国内外の規制、リスク評価などの情報を調査・集積し、社内で共有化するとともに、各部門が適切な化学品管理ができるよう支援体制を構築しています。
また化学品の規制は国や地域ごとに異なることから、地域統括会社にも化学品管理の担当者を配置し、グローバルな管理体制を強化しています。
化学品管理に必要な事項は「化学品管理規則」「化学品安全管理基準」「製品安全管理基準」にて規定し、具体的な規制対応、SDS*1作成・発行、化学品の自主管理などについては、それぞれガイドライン、マニュアルなどを作成して確実な対応を推進しています。

  • *1SDS(Safety Data Sheet):安全データシート。他の事業者へ化学品を譲渡・提供する際に、その化学品の性質、危険有害性、安全上の措置および緊急時の対応などの情報を提供するための文書。

化学品管理に関する規制への対応

国内法規制に対して

化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)、労働安全衛生法(安衛法)における新規化学物質届出や、毒物及び劇物取締法(毒劇法)における製造・輸入・販売業登録管理や記録保管義務など、多岐にわたる法令を遵守し、確実かつ漏れなく対応するため、三菱ケミカルは国内法規制対応の規則類や社内ガイドラインを制定するとともに、届出管理データベースなどによる一元管理を推進しています。
2023年度は、安衛法改正に伴う通知対象物質の追加によるSDSの見直しおよび化学物質管理者の設置によるリスクアセスメントの実施および管理の仕組みづくりを関連部署と連携して進めました。

海外法規制に対して

国連「2030アジェンダ」に向かい、世界各国で化学品に関する規制法が整備されてきました。
三菱ケミカルはこのような各国の法規制の動向に対応し、地域統括会社や海外グループ会社などと連携し、現地にて法規制最新動向の情報収集を行い、より正確で確実な法令対応を取る体制を整備しています。
特にイギリスのUK REACH*2、トルコのトルコ版REACH(KKDIK)*3では、2023年に予定されていた登録期限が、トン数帯と有害性分類に応じて段階的に延期されることが発表されました。三菱ケミカルでは、UK REACH/KKDIKにおいて確実に登録を進めるべく、新たな登録期限に応じて登録計画を見直ししました。

  • *2UK REACH(UK registration, evaluation, authorisation and restriction of chemicals (REACH)):EU REACHによく似たUKにおける化学物質の登録・評価・認可および制限に関する規則。
  • *3KKDIK: EU REACHによく似たトルコにおける化学物質の登録・評価・認可および制限に関する規則。

化学品管理の自主的取り組み

三菱ケミカルは、化学品の悪用・盗難の防止強化を目的として、毒物劇物に加え三菱ケミカル独自の管理対象物質を「三菱ケミカル特別管理化学物質」として定め、事業所、研究所、物流およびお客様などへの譲渡時における管理方法を自主的安全管理ガイドラインで規定し、管理強化を進めています。

製品の情報提供(SDS等)とリスクアセスメントの取り組み

三菱ケミカルでは、お客様が製品を安全に取扱・管理できるようにするための、含有物質に関する危険有害性や規制情報を収集し、各国GHS*4の書式に従ったSDSで製品の危険有害性情報の提供を行うとともに、製品のリスクアセスメントを行い、リスク管理を行っています。

  • *4GHS(Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals):化学品の分類と表示に関する世界調和システム。世界的な統一ルールのもと、化学品を危険有害性の種類・程度に応じて分類し、その情報をラベル表示やSDSの提供によって情報伝達するシステム。

化学品管理の社内教育

三菱ケミカルは、化学品管理に関する基礎教育だけでなく、ますます強化される国内外の規制動向を周知し、対応方法を指導するため、グループ会社従業員も対象とした「化学品管理セミナー」を毎月本社にて開催しています。
2023年度は安衛法改正に対応するため製品リスク評価や自律的管理、SDSやラベル、危険物輸送などのテーマで延べ3,092名が受講いたしました。また毒劇法等に関する事業所や研究所を含めた全社向けオンライン教育、食品用容器包装材料に関する規制や各国化学品規制連絡会などテーマ別連絡会のほか、事業所や研究所、グループ会社に対して関係する法令の基礎教育を12回開催し、具体的な法対応について詳細な指導を実施しています。さらには社内ポータルサイトを活用して、いつでも繰り返し学習できるような体制を整備しています。

化学品管理の社内教育
化学品管理の社内教育

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