社会課題の解決に向けた5つの注力事業領域

MCGグループは、私たちのPurposeに基づき、重要な社会課題を踏まえ、グループの強みを活かせる分野として、5つの注力事業領域を定めました。

重要性が増した社会課題と注力事業領域の特定

想定以上に外部環境の変化が加速するなか、2020年に策定した中長期基本戦略「KAITEKI Vision 30」以降の5年間で特に重要性を増した社会課題を見直し、MCGグループが解決に貢献できる社会課題を特定し、「エネルギーの有効活用と脱炭素化」「持続可能な資源管理」「デジタル技術の高度化」「食・水資源の有効利用」「健康寿命の延伸」の5つをターゲットとしました。

これらの社会課題に対し、需要の成長性が高く、素材の力とモノづくりの力を掛け合わせることで優位性のある価値提供が可能な分野として、「グリーン・ケミカルの安定供給基盤」「環境配慮型モビリティ」「データ処理と通信の高度化」「食の品質保持」「新しい治療に求められる技術や機器」の5つを注力事業領域として定めました。

これら5つの事業領域は個々に独立しているのではなく、「グリーン・ケミカルの安定供給基盤」が土台となり、他の4事業領域を支えています。各事業領域で使用された製品は、リサイクルを通じて再び原料や素材として「グリーン・ケミカルの安定供給基盤」へと循環し、新たな価値として次の製品へとつながる循環型の価値提供をめざしています。

5つの注力事業領域とそのVision

    グリーン・ケミカルの安定供給基盤

  • Vision

    化学産業のグリーン化をグローバルにリードする

  • 背景/顧客ニーズ

    気候変動の深刻化や環境規制の強化を背景に、カーボンニュートラルおよびサーキュラーエコノミーの実現に向けた転換が、化学産業全体に求められています。エネルギーの有効利用、脱炭素化、持続可能な資源管理への対応は、将来的な環境コストや事業リスクの低減という観点からも重要性を増しています。

  • 提供価値(ソリューション)

    製品ライフサイクル全体での環境負荷低減が重視される中、サプライチェーンの川上に位置する素材のグリーン化は、持続可能な産業の実現に不可欠な要素となっています。

    グリーン・ケミカルとは、植物・農産物やその副産物、廃棄物などの再生可能資源を原料とし、従来の化石燃料由来の化学品を代替するものの総称です。MCGグループでは、「自社製品に限らず、顧客製品の環境負荷低減に貢献する基礎化学品およびその誘導品*」をグリーン・ケミカルと定義しています。

    ビジョンの実現に向け、グローバルプレイヤーとの連携によるe-メタノールを利用した誘導品(ポリプロピレンなど)の拡大、廃棄プラスチックのケミカルリサイクルによるクローズドループの構築、植物由来化学品(バイオナフサ、SAF)の商業化などに取り組み、グリーン・ケミカルの安定基盤の構築を進めています。

    ※誘導品:基礎化学品を原料として、さらに加工・合成して作られる中間製品のこと
    ※e-メタノール:CO2とグリーン水素(再生可能エネルギー由来の電力を用いて生成した水素)を原料とする合成メタノール

  • 超臨界水を用いた油化による、廃プラスチックのケミカルリサイクル
  • 木質原料由来の航空燃料、並びにバイオナフサの製造(2030年頃事業化検討中)
  • CO2とグリーン水素を原料としたポリプロピレンの製造(2030年頃事業化検討中)

    環境配慮型モビリティ

  • Vision

    環境対応に伴うモビリティの進化を素材で支える

  • 背景/顧客ニーズ

    環境負荷を低減するモビリティの台頭により、車両構造や素材に求められる機能は変化しています。特に、EV用バッテリー搭載に伴う重量増を背景に軽量化ニーズが高まる一方、事故低減の進展により、耐衝撃性を最優先とする設計要求から、機能性や成形性、設計自由度を含めた総合的な素材選択へとニーズが拡大しています。

  • 提供価値(ソリューション)

    MCGグループは、軽量化素材、電池関連材料、熱マネジメント材料などを通じて電動化に伴う課題に対応するとともに、炭素繊維強化プラスチックなど、機能統合や設計自由度向上に資する素材を提供し、車両設計の選択肢拡大を支えます。環境規制への要請を踏まえ、ケミカルリサイクルを活用したリサイクル材の供給や、再生可能資源由来原料・リサイクル原料を用いた素材の提供を通じて、環境対応を織り込んだモビリティの進化を支えていきます。

  • (炭素繊維・コンポジット)

    データ処理と通信の高度化

  • Vision

    半導体高度化のエコシステムを支える

  • 背景/顧客ニーズ

    人工知能をはじめとするデジタル技術の進展により、データ量は急速に増加しています。一方で、その処理・伝送に伴う消費電力の増大は、世界的な社会課題となっており、半導体の高性能化と省電力化の両立が求められています。

    半導体分野では、微細化や3次元化などの技術開発が進むとともに、製造工程での水や薬剤の使用、排水・廃液への対応といった環境・資源面での課題も重要性を増しています。こうした背景から、性能向上に加え、製造プロセス全体を通じた資源の有効利用や環境負荷低減への対応が、半導体産業における重要なニーズとなっています。

  • 提供価値(ソリューション)

    MCGグループは、半導体製造を「動脈側」と「静脈側」の両面から支えるマテリアルとサービスを提供しています。
    動脈側では、合成石英など半導体製造に必要な製品群に加え、GaN基板などの高付加価値製品の開発にも取り組みながら、高純度マテリアルの提供を通じて、市場が求める高純度化・高精細化への対応を支えています。静脈側では、製造工程における不純物除去や排水・廃液の分離・処理技術を通じて、資源の再資源化に貢献していきます。

    食の品質保持

  • Vision

    おいしさを長持ちさせて食の流通・加工プロセスを支える

  • 背景/顧客ニーズ

    気候変動や人口増加、都市化、食資源の偏在などを背景に、世界の食環境は複雑化し、フードロス削減への意識も高まっています。こうした中、保存性や流通性に優れた加工食品は、安定した食の供給を支える重要な役割を担っています。加工・包装技術の進展により、加工食品は多様化するとともに、現代の生活スタイルに即したニーズにも応えており、食の安定供給を支える役割は今後も拡大すると見込まれています。

  • 提供価値(ソリューション)

    MCGグループは、食品機能材やパッケージ技術、産業用ガスなど多角的な強みを組み合わせ、酸化防止、食感の調整、菌の抑制といった観点から食品の保存品質向上に貢献しています。また、食品品質を支える製造設備や工場のエンジニアリング、排水処理技術によって、衛生的かつ効率的な食品製造を可能にしています。
    これらの機能や技術は、食品の種類や流通環境に応じて柔軟に活用され、加工・流通の現場で食の品質保持に貢献します。さらに、包装容器に使用する素材については、バイオマス原料の活用やフィルムの薄肉化、リサイクルを考慮した設計や技術開発を行っています。

  • (製品使用例:乳化剤)

    新しい治療に求められる技術や機器

  • Vision

    新しい治療を医療グレードの高機能素材で支える

  • 背景/顧客ニーズ

    高齢化の進展により、健康寿命の延伸が重要な課題となる中、加齢に伴う疾患の予防や早期発見・早期治療への取り組みが進んでいます。また、細胞治療、遺伝子治療、バイオ医薬品など治療法の多様化により、従来の低分子医薬品では対応が難しかった疾患に対しても現実的な選択肢が広がっています。こうした医療の高度化を背景に、医療機器の技術革新や新しい治療手段の発展が加速し、それらを支える素材や基盤技術へのニーズはさらに高まると見込んでいます。

  • 提供価値(ソリューション)

    バイオ医薬品の製造・流通においては、厳格な衛生管理が求められています。滅菌性や異物混入リスクの観点からシングルユースプラスチックの利用が進む中、 MCGグループは、輸液バッグや輸液チューブなどに用いられる素材提供の実績を活かし、バイオ医薬品分野への対応を進めています。 また、分離・精製用の機能性材料や装置を備えており、バイオ医薬品の生産から流通までのプロセスを支えています。

    人工関節や体内留置用カテーテルなど、身体に直接埋め込まれる医療機器には、高い精密性と信頼性が求められます。 MCGグループは、エンジニアリングプラスチック素材や、熱可塑性樹脂などの 医療用機能性樹脂を厳格な品質管理体制のもと提供するとともに、部品の設計から成形・組立・充填・梱包まで、製品化をトータルで支援する体制を整えています。

    さらに、医療分野で使用されるプラスチックの環境課題を踏まえ、 法令や安全性を前提としながら、将来的には、他企業とも連携・協力し、使用済み製品を回収し、ケミカルリサイクルによって循環させるシステムの構築をめざします。

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