サーキュラーエコノミーの推進。素材を生み出す川上産業のミッション

サーキュラーエコノミーの推進
素材を生み出す川上産業のミッション

2025.03.24
 / TEXT BY MCG
※本記事の内容は公開時点のものです。

持続可能な社会の実現に向けて、エネルギーの有効活用や脱炭素化、持続可能な資源管理は、現代社会が直面する喫緊の課題です。三菱ケミカルグループ(以下、MCGグループ)ではカーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーの両面でさまざまな取り組みを推進し、これらの課題解決に取り組んでいます。

世界のプラスチック消費と廃棄物の動向

OECDの最新報告*1によると、世界のプラスチック消費量は、2019年の4億6,000万トンから2060年には12億3,100万トンへと急増する見通しです。一方、プラスチック廃棄物のリサイクル率はわずか9%に留まっています。廃棄されたプラスチックの有効利用は年々進み、2060年には17%まで改善が見込まれるものの、依然として廃棄物の約50%が埋め立て処分され、20%が焼却されると予測されています。また、環境へ流出するプラスチックは約15%を占めており、2060年までに年間4,400万トンに倍増すると懸念されています。

加えて、化学産業は、製造過程での大量のエネルギー消費により、産業部門のCO2排出量の中で大きな割合を占めています。特にプラスチックは、製造過程だけでなく廃棄過程でもCO2を排出するため、それらの排出削減は持続可能な社会の実現に向けた重要な課題です。

私たちが考えるサーキュラーエコノミー

MCGグループでは、サーキュラーエコノミーの具体的なアプローチとして、プラスチック循環、炭素・水素の活用、バイオプラスチック活用を進めています。例えば、廃プラスチックを再資源化しプラスチックの原料へ戻すリサイクルでは、回収した廃プラスチックを(1)化学的な分解工程等によって油、モノマーなど化学原料へ戻すケミカルリサイクルと、(2)物理的な破砕工程等によって再生利用するマテリアルリサイクルに取り組んでいます。また、二酸化炭素とグリーン水素を原料とする合成メタノールからポリプロピレンを製造するプロジェクトも進めています。この他にも、植物由来のバイオマス原料素材や、微⽣物によって最終的に⽔と⼆酸化炭素に分解される生分解性素材など、環境に調和した資源循環型社会の実現に貢献する新しい素材の開発を推進しています。こうした取り組みを、バリューチェーンのパートナーと連携しながら、技術開発から実証、事業化へと発展させることで、MCGグループは、サステナブルな社会構築に貢献するグリーン・スペシャリティ企業を目指しています。

私たちが考えるサーキュラーエコノミー

化学産業のグリーン化をグローバルにリード

MCGグループでは、資源を有効活用し、社会全体の環境負荷を低減させ、強靭なサプライチェーンを構築するための取り組みとして、サーキュラーエコノミーを推進しています。この取り組みは一企業だけで達成できるものではありません。MCGグループは、さまざまな業界やパートナー企業、地域社会、コンビナートと連携しながら、素材を生み出す川上産業としての強みを活かし、多様な技術やアイデア、サプライチェーンをつなぐことで、化学産業のグリーン化をグローバルにリードしていきます。

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