
ヘルスケア分野
- ファーマ
- 再生医療
疾病治療にとどまらず、世界の人々が長く健康でいられる社会の実現に向けて、事業を発展させていきます
セグメントの区分けは2021年度実績に基づいて掲載しています

ヘルスケア コア営業利益増減要因

その他差には、受払差・持分法投資損益差などの金額が含まれています。
ヘルスケアセグメント
売上収益は4,036億円(前期比130億円増加)となり、コア営業利益は70億円の損失(前期比249億円減少)となりました。
医薬品においては、国内医療用医薬品で薬価改定等の影響を受けたものの、重点品の販売数量が伸長したこと等により、売上収益は増加しました。コア営業利益は、新型コロナウイルスワクチンの研究開発費の増加等により減少しました。なお、Novartis Pharma AGに導出した多発性硬化症治療剤「ジレニア®」のロイヤリティ収入については、2019年2月に仲裁手続きに入ったためロイヤリティ収入の一部について、IFRS第15号に従い売上収益の認識を行わないこととしました。当連結会計年度におきましても、仲裁手続きが継続しているため、ロイヤリティ収入の一部について売上収益の認識を行っておりません。


新型コロナウイルス感染症の予防をめざしたVLPワクチンの開発へ
新型コロナウイルス感染症ワクチン「コビフェンツ」が、2022年2月にカナダで承認を取得しました。カナダ政府と本剤の供給契約を結んでおり、速やかに供給を開始できるよう準備を進めています。日本においても承認申請をめざし、2021年10月より第1/2相臨床試験を開始しています。
植物由来VLPワクチンとは、ウイルス様粒子(VLP)製造技術を用いた新規ワクチンです。VLPは、ウイルスと同様の外部構造を持ち、ワクチンとしての高い免疫獲得効果(有効性)が期待されることに加え、遺伝子情報を持たないため体内でウイルスの増殖がなく、安全性にも優れる有望なワクチン技術として注目されています。植物を使用したVLP製造技術により、短期間で大量生産が期待されます。
「コビフェンツ」は、新型コロナウイルス感染症ワクチンとして世界初の植物由来ワクチンです。また、冷蔵(2~8℃)での保存・流通が可能です。植物由来VLPワクチンという新たな選択肢を届けることで、世界の最重要課題である感染症予防により一層貢献していきます。


ALS治療の新しい選択肢を米国の患者さんへ
米国において、2022年6月に「ラジカヴァ ORS」を新発売しました。「ラジカヴァ ORS」は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬であるエダラボン点滴静注製剤「ラジカット」(米国名:「ラジカヴァ」)と同一有効成分を含む経口懸濁剤で、1日に1回、経口または胃ろうから服用します。薬剤はボトルに入っており、薬剤を服用するための水や溶解液は必要ありません。
注射による痛みや投与のための通院など、ALS患者さんの負担を軽減するため開発を進めてきました。これまで、投与経路は点滴静注に限られていましたが、経口で治療薬を服用できるという新たな選択肢ができました。
